2013/12/01
明治30年に読売新聞で発表され、明治の時代に多くの読者を魅了した尾崎紅葉の名作「金色夜叉」(こんじきやしゃ)。
許婚の関係にあった間貫一(はざまかんいち)と鴫沢宮(しぎさわみや)。 しかし、両親の勧めに従って実業家に嫁ごうとする宮と、 これを裏切りと感じた貫一は、1月17日の月の夜、熱海の海岸で泣く泣く別れることになりました。 (それがいわゆる「熱海海岸の場」であり、二人の傍らにあった松が「お宮の松」として有名になり、 全国から多くの観光客が「お宮の松」を見に来るようになりました。)
その後、貫一は金持ちに嫁いだ宮を見返すかのように金儲けに明け暮れ、 宮は貫一を裏切ったとの想いから心を病んだのです。
現在のドラマのように、二人の行く末を案じて世間は熱狂し、 切ない別れの舞台となった熱海海岸は憧れの観光地となりました。 そして現在まで何度となく映画化、映像化されました。
このように日本中の人々が、熱海の名を知るきっかけとなった「金色夜叉」の作者である 尾崎紅葉の偉業をたたえ遺徳を偲び、毎年1月17日に「尾崎紅葉祭・紅葉筆塚祭」を開催しています。
2014年(平成26年)も1月17日(金)11時より、紅葉愛用の筆がまつられている 「湯宿一番地」前の筆塚にて「紅葉筆塚祭」を開催。神事を執り行います。
場所を移し、12時30分からは「お宮の松」にて「尾崎紅葉祭」を開催します。
式典ではご遺族や関係者による挨拶・献花の後、熱海芸妓連による「金色夜叉」貫一お宮の熱海海岸での泣き別れシーン・ 貫一がお宮を足蹴にする名場面の寸劇を披露します。
今回は特別に、13時から「熱海芸妓見番」にて熱海芸妓による記念演芸会も開演いたしますので、 ぜひご来場ください。
【紅葉筆塚祭】
※神事のみ
日時:1月17日(金)11:00〜
場所:湯宿一番地(旧志ほみや旅館)前(春日町1-2:熱海駅近く)
主催:筆塚保存会
問合せ:同保存会(榛葉様)0557-81-3651
【尾崎紅葉祭】
※開催時間・会場が下記のとおり変更となりました。ご注意下さい!
日時:1月17日(金)12:30〜13:00
場所:お宮の松(東海岸町:国道135号沿い)※雨天時は13:00〜熱海芸妓見番(中央町)
主催:熱海市
問合せ:熱海市文化交流課0557-86-6234
【記念演芸会】
日時:1月17日(金)12:30開場・13:00開演
場所:熱海芸妓見番(中央町・初川沿い:0557-81-3575)
主催:熱海市
※入場無料ですが、定員(約250名)になり次第、入場をお断りする場合がございます。
また、同日は尾崎紅葉祭にちなみ、熱海駅前「仲見世振興会」による鍋の振舞いもあります。
【仲見世振興会主催イベント】
温かい鍋(貫一・お宮なべ)の振舞い
日時:1月17日(金)11:30〜
場所:熱海駅前仲見世振興会
「新金色夜叉」の歌詞をここでご紹介します。この詞だけで貫一お宮のストーリーが切々とわかります。
ヴァイオリン演歌【新金色夜叉】
作詞:宮島郁芳・作曲:後藤紫雲(※日本流行歌史による)
1:熱海の海岸を散歩する 貫一お宮の二人連れ 共に歩むも今日限り 共に語るも今日限り
2:僕が学校おわるまで 何故(なぜ)に宮さん待たなんだ 夫に不足が出来たのか さもなきゃお金が欲しいのか
3:夫に不足はないけれど あなたを洋行さすがため 父母の教えに従って 富山一家に嫁(かしず)かん
4:何故(いか)に宮さん貫一は これでも一個の男子なり 理想の妻を金に替え 洋行するよな僕じゃない
5:宮さん必ず来年の 今月今夜の此の月は 僕の涙で曇らして 見せるよ男子の意気地から
6:ダイヤモンドに目がくれて 乗ってはならぬ玉の輿 人は身持ちが第一よ お金はこの世のまわり物
7:恋に破れし貫一は すがるお宮を突き放し 無念の涙はらはらと 残る渚に月淋し
※ お出かけ、ご利用の際は、事前に最新情報をご確認ください。