2014/02/13
ドイツ人建築家:ブルーノ・タウトが日本に残した唯一現存する建築:重要文化財 「旧日向別邸」(きゅう ひゅうがべってい)は、 アジア貿易で活躍した日向利兵衛が1933(昭和8)年、熱海春日町に 温泉付分譲地を購入し、翌1934(昭和9)年から1936(昭和11)年にかけて建てた別邸です。
木造二階建の上屋の設計は、東京銀座の和光、東京上野の東京国立博物館、 愛知県庁などの設計で知られる渡辺仁によるものです。
敷地は海に向かう急傾斜地で、土留めのかわりに鉄筋コンクリート造で地下室を造って屋上を庭園にし、 1936(昭和11)年その地下室を利用してつくられた離れが、ブルーノ・タウトの設計によるものです。
竹や桐をふんだんに用いた社交室、部屋の一部として階段のある洋室、そして和室の3室から構成され、 タウト自身は、3室をベートーベン、モーツァルト、バッハの音楽になぞらえています。
桂離宮や伊勢神宮をはじめ、 自然と融合した日本建築の美しさや伝統文化のすばらしさに感銘を受けた タウトが追及し続けた多様な色彩空間への取り組みとともに、 彼の感性がとらえた日本的なるものと洋を、独自の手法で表現するという意欲的な試みがなされています。 (庭園は日向利兵衛の娘婿にあたる造園家:田村剛の関与があったと思われます)
1952(昭和27)年からは民間企業の保養所として使用されてきましたが、 2004(平成16)年11月、東京在住の女性の寄付を受け、熱海市が取得。
2003年(平成15)年、DOCOMOMO (1989年オランダのアイントホーヘン工科大学のフーベルト・ヤン・ヘンケット教授の提唱により設立され 「近代建築に関する建築、敷地、環境の資料化と保存」の国際組織) 選定建築物に選定され、2005(平成17)年8月、熱海市指定有形文化財(建造物)に指定。
2006(平成18)年7月に国の重要文化財指定(建造物)を受けました。
2005(平成17)年9月24日より一般公開開始。
※見学は予約制
基本情報
名称 | 旧日向別邸 |
---|---|
所在地 | 熱海市春日町8-37 |
営業日・休日 | 開館:毎週土日・祝日 |
料金 | 入館料/大人300円・中高生200円・小学生以下無料(但し保護者同伴) |
駐車場 | なし |
連絡先 | 旧日向別邸(開館日のみ)電話:0557-81-2747・熱海市教育委員会生涯学習課 文化施設室(施設) 電話:0557-86-6232 |
交通アクセス | 熱海駅より徒歩にて約10分 |
ホームページ | http://www.city.atami.shizuoka.jp/ |
※ お出かけ、ご利用の際は、事前に最新情報をご確認ください。